乾湿式の温度・湿度計を作ってみた。昔からガラス管の温度計2本を並べたものがあるが、これを電子式の温度センサーで再現したもの。
温度センサーはトランジスタ型のLM61を使う。出力はアナログなので、PICのADコンバータでディジタル値に変換する。乾球のほうはそのままの温度を測定するが、湿球のほうは水にひたしたガーゼをプラスチック部分に巻きつけて湿らせて測定する。
水分が蒸発するときに気化熱を奪うので、湿球のほうが温度が低くなる。乾球と湿球の温度差と乾球の温度で湿度を読み取るが、本来のガラス管の温度計用のテーブル通りだと湿度が高く表示されるので、現物合わせで、乾球と湿球の温度差を2倍にしてテーブルを読むようにした。
乾球の温度と乾・湿球の温度差で湿度を読むテーブルの一部は以下のようになっている。
温度は0.1度単位で測定しているので、乾・湿球の温度差の1度の間は直線補間して湿度を求める。たとえば、乾球温度26度で、乾湿球の温度差が3.4度の場合は、76 - (76-69)*0.4 = 73.2で73%となる。
Dry Difference Between Dry and Wet
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
30 100 92 85 78 72 65 59 53 47 41
29 100 92 85 78 71 64 58 52 46 40
28 100 92 85 77 70 64 57 51 45 39
27 100 92 84 77 70 63 56 50 43 37
26 100 92 84 76 69 62 55 48 42 36
25 100 92 84 76 68 61 54 47 41 34
PICは8bitのPIC18F26K22を使った。表示は7セグ3ケタのLEDを使う。温度は" 27"、湿度は"h72"のように表示する。
温度と湿度の表示だけだともったいなので、キッチンタイマーの機能も付けることにした。表示が3ケタなので、"9:50"までの時間を設定できるようにした。ラーメンの3分、パスタの9分には十分使える。
LEDで表示するので、つけっぱなしだと電池がすぐになくなるため、スイッチ操作から10分経つとスリープするようにした。
水を使うので、全体をひとまとめにしておくことにし、木の台に基板・電池・ペットボトルで作った水入れ、を取り付けた。
別のセンサーで作った温度・湿度計と比べているが、温度・湿度ともほぼ同じ値が表示されている。