ものづくり教室の生徒に電子音を体験してもらおうと思い、基板にスイッチを鍵盤状にならべてキーボードを作ったところ、ものづくり仲間が鍵盤じゃないとつまらない、と言って、プラダンで鍵盤を試作してくれた。その鍵盤を使い、ミニキーボードを作ってみた。
鍵盤は1オクターブで発音数は1つだけとする。PIC1つで全ての処理を行うことにし、部品点数が一番少なくできる16bitのPIC24FV32KA301に決めた。音源方式はピッチ同期式で1周期128ポイントの波形メモリ方式とした。DACはないのでPWM変調を使うことにし、キャリア周波数は256KHz、データのビット数は8bitとした。PWM変調の出力に抵抗を直列に入れて圧電ブザーを鳴らしている。
鍵盤は1オクターブの13keyとモード選択用に1keyの合計14keyがあり、それぞれの鍵盤のスイッチがPICのポートに接続されている。
通常は、鍵盤を押して演奏する。モード選択キーをダブルクリックするとエディットモードになり、鍵盤でパラメータ変更などができるようになる。モード選択キーをシングルクリックすると、通常の演奏モードに戻る。
機能1:音色選択
白鍵を押して音色を変更する。サイン波・三角波・矩形波・鋸歯状波・FM波形(4種類)の8種類の波形が用意されている。8番目の波形は、音の出だしから波形を順に切り替えていくようになっていて、音色が変化する音になっている。
機能2:音量エンベロープ設定
音量の減衰を選択する。減衰なしから減衰最大までを4種類選べる。
機能3:ビブラート設定
ビブラートの深さを設定する。ビブラートなしから最大までを4種類選べる。
機能4:オクターブ設定
演奏する音程のオクターブを4つの中から選択する。
機能5:メロディー演奏
メロディー貯金箱用に作ったメロディーを連続演奏する。演奏順はランダム。メロディーを演奏しながら機能変更を行うと、音色の変化がわかりやすい。
プラダンで鍵盤を作る工程で、白鍵の隙間をカッターで切り取る作業や、スイッチになるメッキ線を取り付ける作業など、かなり技術的にも高度な作業があるし、ユニバーサル基板に回路をはんだ付けし、スイッチのメッキ線と接続する作業も忍耐が必要な作業なので、他の作業の負担を減らすよう、いくつかの作業を事前にこちらで行った。
和音が出ないのが最大の欠点だし、音の強弱のコントロールができないのが寂しいが、簡単なメロディーを弾いて楽しむことはできる。