ものづくり教室の教材用に、振子の周期を測定してで重さを計算する秤を作ってみた。普通の振子は錘の重さが変わっても周期は変わらないが、振子の皿に錘を乗せると、錘の重さで周期が変わるのがミソ。
振子は木の枠で作ってあり、振子を吊るす棒の真ん中あたりにビスとナットの錘がついている。これで、振子の重心がビスのあるあたりになる。振子の皿に錘を乗せると、振子全体の重心が錘の重さの分下に移動するため、振子の周期が長くなる、という仕掛け。
振子が軽く振れるよう、軸にはボールベアリングを着けた。外径4mmのアルミパイプを軸にして、内径4mmのボールベアリングを3Dプリンタで作ったケースに入れて、振子を支える柱に取り付ける。
以前作ったレゴの軸を使った振子に比べると、振子の揺れが減衰する時間がかなり長くなった。
振子の周期を測定するため、振子の皿の下にシャッターを取り付ける。床に取り付けた赤外線LEDとフォトトランジスタで作ったセンサーでシャッターが通過する間隔を測定する。
周期と錘の重さの関係は簡単な式では表せないので、重さのわかった錘を乗せた時の周期を何種類か測定して記憶しておき、測定する錘を乗せた時の周期で補間の計算をして重さを求める。0gから90gくらいまで7つの重さの周期を記憶してある。直線補間では誤差が大きいようなので、2次式で補間している。
錘をのせて振子をゆすると、4ケタのLEDに重さが表示される。1周期ごとに重さが表示されるが、時間がたつと振幅が小さくなり、周期が短くなるため、重さが小さくなっていく。振子の周期は振幅に依存しない、というのは振幅が小さい時だけ、というのが良くわかる。振幅が一定の値になった時の周期で最終的な重さを計算する。
重い錘をのせると、振幅が小さくなるのに時間がかかる。重いものを測るときは振り始めの振幅を小さくしたほうが良い。
直方体の錘の重さを測るとき、平らに置いた時と、立てて置いた時では重心の位置が変わるため、重さが変わる。
精度もあまり良くないし、測定中に重さが減っていったり、錘の置き方で重さが変わったりするあやしい秤であるが、振子の特性を数字で見れるのが面白いと思っている。