2012年12月28日金曜日

12.2 自動巻き腕時計用ネジ巻き機その2

 先日作成したネジ巻きは、腕時計を車輪のホイールに取り付けて回したが、これだと腕時計が重くてバランスが悪く、回転がスムーズでなかった。
回転がスムーズになるよう取り付け方法を変更した。腕時計を回転の中心に置くようにする。重心の移動がほとんどなくなり、スムーズに回るし回す力も小さくてすむはず。
また、回転を安定させるため、時計を回す40歯の歯車にフォトインタラプタを取り付けて間隔を測定し、回転速度を一定に保つようにモーターを駆動するPWMのデューティーを制御するようにした。

 回転軸が時計の錘の回転軸と同じになるので、右回転と左回転でぜんまいの巻き方に差が出るのではないかと思い、実験してみた。
時計が完全に停止するのを待ち、時計が左回転するように10分間回し、その後何分間時計が動くか測ってみたところ、4時間半動いた。次に同じことを時計が右回転するようにして測ってみたところ、時計は全く動かない。この時計ののぜんまいは時計が左回りする方向で巻かれることがわかった。(両方で巻けるような賢いメカがあるかと思ったが、普通のメカらしく安心した)

回す時間と、時計が動く時間も見当がつくようになったので、24時間のうち1時間回すことにする。24時間のうち1時間連続で回す方法と、20分毎に1分ずつ回す方法を検討し、デバッグのやりやすさから20分毎に1分ずつ回す方法とした。これで時計が動き続けるはず。


2012年12月18日火曜日

12.1 自動巻き腕時計用ネジ巻き機






先日机を整理していたら、古い自動巻きの腕時計が出てきた。振ってみたところ、普通に動く。最近は腕時計はほとんど使うことがないが、せっかく動いているので、腕に付けなくてもネジが巻けるよう、ネジ巻き機を作ることにした。





モーターはタミヤのミニモーター低速ギヤボックスを使うことにした。小形のモーターで消費電力も少なさそうである。





腕時計を取り付ける部分は、いくつか検討した結果、タミヤの大きめの車輪のホイール部分に包装用のプチプチを巻きつけたものとした。
このホイールはレゴの軸に取り付けるようにしてあったので、タミヤのギヤボックスの出力軸にレゴの歯車を取り付け、これで駆動するようにした。





コントロール部は、これまでに作ったものを流用しても良かったが、せっかくなので新規に作ることにした。8ピンのPIC12F1822とモータードライバーは同じく8ピンのLB1639を使う。PICの消費電力が少なくなるよう、クロックは一番遅い31.25KHzで使う。
制御は、60秒サイクルでモーターをオン・オフすることにし、現在は45秒回して15秒休む設定にしてある。モーターの回転速度はPWMで制御している。


実際に動かしてみると、ギヤボックスの音が大きくかなり気になる。夜中に寝ているときに動かすようにしている。小形のモーターとはいえ、ほとんど回りっぱなしに近いので、電池の消耗も速く、24時間回すと単3のエネループ2本を使いきってしまう。


2012年12月14日金曜日

8.12 四本足で歩くロボットその2


以前四本足のロボットを作ってから時間が取れず、新しいものがまだできていない。今回は四本足のロボットをむりやり左右に方向転換させることにした。
動かし方は、左に曲がるときは右の足だけを掻き、右に曲がるときは左の足だけを掻く、という単純な方法とする。
さっそく試してみたところ、バランスが取れずに転んでしまった。掻いていない方の足を前後に踏ん張るようにして転ばなくなった。
動き始めるときは、いったん足を真っ直ぐの位置に戻してから動き始める。
動くスピードは相変わらずとっても遅い。ズリズリと滑りながらなんとか曲がっていく。

 

 ブログ用の写真を撮るときに、少しは速く動いているように見えるよう、シャッタースピードを遅くして撮ってみた。




2012年10月19日金曜日

8.11 四本足で歩くロボット




以前四本足で歩くロボットを作ったが、モーターが2つしかなかったのでかなり無理な動きをするものしかできなかった。モーターを4つ使って四歩足で歩くロボットに再挑戦することにした。






足の動きは回転運動だけしかできない。できるだけシンプルな構造でしっかり動く形を考え、モーターの軸にウオームギアを取り付けて40歯の歯車を駆動し、これで足を動かすことにした。
同じ構造を4本の足に作る。形は前後左右ほとんど対象のシンプルな形になった。色もグレーと黒中心の地味な配色。


足の動きは、左前・右後・右前・左後、の順に掻いていくことにした。掻くときは移動距離が短くなるよう、足を前方に動かすようにしてみたが、重量バランスが取れないので前に掻くと体が後ろに下がってしまい同じところを行ったり来たりするだけであった。
しかたなく、足を掻くときは後方に足を動かしほぼ1周して前方に戻ってくるようにした。これならちゃんと前に歩いていくが、足がグルッと回る時間が長く、歩く速度はあきれるほど遅い。


足の回転角度の測定は、モーターの軸に24歯の歯車をつけ、そこにフォトインタラプタを付けて回転数をカウントするようにした。ボディの前後に2ヶずつ歯車とフォトインタラプタがついている。

歩かせる時は、まず足が直立した状態にマニュアルで調整し、スタートさせると、それぞれの足の最初の位置まで回転し、歩行を開始する。掻く足はグルッと回るまで回転し、それ以外の足は少しずつ前進方向に回転する。


リー君に見せたところ、動きが地味なせいかあまり興味を示さなかったが、ウオームギアの動きを見て、「この歯車入っていってる」といいながら、足をつかんで動きを止めようとしたりしていた。




2012年9月22日土曜日

4.11 ポンポン船


ものづくり教室の教材用に仲間がポンポン船を試作し、作り方の説明書も用意してくれたので、今月末の教室に向け、自分も試作してみた。

主な材料はビールのアルミ缶と日本酒の紙パック。
アルミ缶を切って平らな板を作り、長方形に折り曲げてエポキシの接着剤で接着し、ストローを2本差し込んでこれも接着剤で接着し、エンジンを作る。
きれいに仕上げたかったが、はみ出した接着剤をふき取ることもできず、水漏れするよりはいいか、と開き直ってたっぷり接着剤をつけておいた。


船体は紙パックを開いて平らにし、型紙を貼りつけて外形を切り取り、折り目で曲げて形を作る。左右の横腹をホッチキスで止めて形を作り、ホットボンドで接着して水漏れがないようにする。
ホットボンドは初めて使ったが、これもきれいに付けるのが難しい。結局デコボコだらけの船になってしまった。


船体の底に穴を開け、エンジンのストローを差し込んでホットボンドで固定する。
これで完成。

エンジンに水を満たし、ローソクを置いて火をつけると、しばらくしてエンジンが始動し、ポンポンと元気な音を出しながら走り始める。

孫のリー君に見せたところ、「ヘエー」と言って面白そうに見ていた。



2012年9月13日木曜日

8.10 障害物を乗り越える車






前回作った尺取り虫のシャーシーにバイク用の大きな車輪を6ヶ取り付け、3ヶのモーターで駆動するようにした。
前後のシャーシーは上下に自由に回転するので、障害物を乗り越えながら進んでいく。



動かすための制御は何もなく、3つのモーターを同じ強さで動かすだけ。トルクが大きくなるよう、8歯車 -> 40歯車の減速を2段重ね、モーターの回転を1/25に減速している。
ホイールベースを長くしたり、重心を低くしたりしたかったが、ホイールベースを長くすると障害物がシャーシーをこするようになるので、尺取り虫と同じ長さにした。このため、モーターの間にPICの基板を置くことができず、モーターの上に置くしかない。少しでも重心が低くなるよう、通常は電池の基板とPICの基板を重ねて使っているが、2つに分けて実装することにした。これで前後の重量バランスも良くなる。







障害物は、500mlのペットボトルに水を入れたもの4本を輪ゴムでつないで階段を作った。もう一つはクッションを重ねたもの。

中央の車輪を駆動するモーターを後ろ側のシャーシーに取り付けてあるため、バックで障害物を乗り越えようとして、後ろの車輪が障害物に乗り上げ、中央の車輪が障害物にあたっているとき、中央のモーターの回転で後のシャーシーが持ち上げられ、後輪が浮いてしまうことがある。乗り越えるのは前進だけとした。

孫のリー君に見せたところ、ペットボトルを乗り越えるあたりで「これスゴーイ」と興味を示し、クッションの次にリー君が腹這いになり、リー君越えをやってみることになった。乗り越えるときには「くすぐったい」と言っていたが無事にリー君越えに成功し、着地もうまくいきみんな大喜び。



2012年8月12日日曜日

8.9 尺取り虫風に動く車







先日山歩きに行った時、小さな尺取り虫が服についているのを見つけた。動きを見ていて、レゴでできそうな気がしてきたので試しに作ってみた。

車輪付きの車にすることにし、4輪車のシャーシーが前後で折れ曲がるようにする。駆動方法は、前後の車輪をそれぞれ別のモーターで動かすのが一番簡単だが、芸がないしブレーキがきちんと効くかどうか心配もあるので、他の方法を検討してみた。
車輪が一方向にしか動かないようにストッパーをつければ、シャーシーの角度をモーターで変えれば自然に動くはず、と気がつき実験してみた。






ストッパーは以前時計を作った時と同じく、短い軸を削り、歯車の歯に挟まるようにして一方向にしか回転しないようにする。





駆動は、モーターの回転をウオームギアで減速し、シャーシーに固定した歯車を動かす。ウオームギアを使うと軸方向に大きな力が働くので、しっかり補強をした。





シャーシーが真っ直ぐ伸びたところと、曲がり切ったところを検出するため、レゴのパーツにメッキ線を巻きつけたものでスイッチを作った。写真は曲がり切った位置を検出するスイッチが接触しているところ。





スイッチが接触するたびにモーターの回転方向を切り替えることで、尺取り虫のように伸びたり縮んだりしながら動くようになった。車輪にストッパーがついているのでカチカチ音がしながら進んでいく。

リー君が作成途中のものを見つけ、「えー、これなに?」と聞いていたので、出来上がったものを動かして見せたところ、「なんだ、ただのイモムシじゃん。」という反応。虫と見えたので成功と思うことにする。


2012年8月5日日曜日

4.10 ウエストミンスターチャイム






今回はレゴもPICもエレクトロニクスも関係ない。
モノづくり教室の教材として、アルミ板の音板を使い、共鳴箱つきのチャイムを試作した。音程はウエストミンスターの鐘に合わせ、ソ・ド・レ・ミの4つとした。

まず、角棒と薄い合板を寸法通りに切断し、接着剤で組み立てて共鳴箱を作る。共鳴箱の表板に共鳴用の25mmの穴を4つ開ける作業があるが、穴あけに使った工具がオーガービットという大きなドリル状のもので、こわごわ作業したが、下敷きに使った板も突き抜けるくらい強力で、合板の切り口はバリバリになってしまった。穴の上に音板を置くので、穴はほとんど見えなくなるため、このまま使うことにした。





次に、幅30mm、暑さ4mmのアルミ棒を金鋸で音板の長さに切り取り、ドリルで取付用の穴を開ける。
次は、ヤスリとドリルで音板の調律を行う。音程の測定はPC用のフリーウエアでソフトチューナーというものが使いやすいので、これを使っている。
音程が低ければ、音板の両端をヤスリで削る。音程が高い場合は、音板の中央付近の裏側にドリルで少し穴を開ける。
今回は、少し長めに材料を切り取ったので、両端をヤスリで削るだけで調律できた。

鋸で切る作業やヤスリで削る作業は部屋の中ではできないので、庭でやったが、猛暑の日で汗だくになりながら作業をすることになった。

調律はぴったり0セントになるように削ったつもりであったが、後で共鳴箱にセットして再度測定してみると、4つとも数セント高くなっている。ヤスリで削ると摩擦で温度が上がり、音板の長さが長くなっていたのが、時間が経過すると温度が下がり、長さが短くなり音程が高くなったと思われる。

孫のリー君に見せたところ、「キンコンカン」と叩いて遊んでいた。こういうシンプルなものがわかりやすいようである。


2012年8月4日土曜日

11.5 3代目散歩のお供


ものづくり教室で使おうとしているキューブカート2の制御方法の検討を続けてきたが、なんとか制御できる目処がたち、3代目になる散歩のお供が動くようになった。

けっこう苦労したが、結局問題は以下の3つと判明し、対策を施した。
1.PIC18F1320のRAMは256bytesあるが、Cのプログラムで使えるGlobal変数領域は64bytesしかない。
2.モーターとPICその他を同じ電池で駆動しているが、モーターが回ると電池の電圧が相当低下する。赤外線リモコンの受信器の動作可能電圧がギリギリ(2.7V)であることが判明。
3.超音波センサーのアンプがモータの動作時のノイズで反応してしまう。

対策1:
リンクのスクリプトを勝手に修正してみたが、うまくいかない。結局不要な変数を削除したりローカル変数に変更したりして、64bytesに収まるようにした。
対策2:
電源電圧が急激に変化するのを避けるため、モーターの起動時にPWMのデューティーを徐々に大きくしていく仕組みを組み込み、駆動時のPWMのデューティーを50%程度に抑えた。また、電池をエネループから普通のアルカリ電池に替えて電源電圧を高くした。
対策3:
モーターの端子にコモンモード用とノーマルモード用のノイズ対策コンデンサを取り付けた。

これで何とかついてこれるようになったが、起動と停止に時間がかかるので、クネクネする動きが大きくなった。




超音波センサーのアンプはPICの基板には実装できないため、小さい別基板に組み立てた。オペアンプも3Vで動作する7016Dというものを使うことにした。超音波の送信器も同じように小さな別基板に組み立ててある。超音波の送・受信器は今回はマルツで小形のものを調達して使ってみた。左右の受信器と中央の送信器をアクリルのバーに取り付け、それを本体に取り付けてある。




2012年6月23日土曜日

11.4 コンパクトなリモコン2つ






これまではDVD用のリモコンを使っていたが、ものづくり教室用に小形のリモコンを試作してみた。スイッチを4つ用意し、これで動きを制御する。PICは8ピンのPIC12F683を使う。スイッチ4つと赤外線LED、それに普通のLEDを付け、6本の入出力端子を全て使いきっている。

これで4輪車と3輪車の動きを制御できるようにした。停止ボタンがないので、動かすときはスイッチを押し続ける必要があるし、3輪車はスイッチを2つ同時に押したりする必要がある。




ついでに同じPICを使い、ロータリーエンコーダーのリモコンの基板も作り直し、コンパクトにした。

これまではPIC12F683のコーディングはアセンブラで行っていたが、HiTech C Compilerを復活させ、今回はCでコーディングした。やはりアセンブラよりも書きやすい。




2012年6月21日木曜日

11.3 タミヤとレゴの車が勢ぞろい


タミヤのギヤボックスを使った4輪車と3輪車ができたので、レゴの4輪車と3輪車を復活させてみた。
4輪車のディファレンシャルギアは、デフ用の歯車が1つしかなく通常のレゴのパーツで作ったのでサイズが大きくなり、タイヤはバイク用の大きなものを使うことになった。
3輪車は以前とほとんど同じ作りになっている。

タミヤの方も調整をした。4輪車のハンドルが曲がり過ぎないよう、左右にスイッチを付けた。3輪車のほうはリモコンが安定して動くように電源周りを再調整したが、まだ取りこぼすことがある。

レゴのステアリングの駆動は歯車で減速して行っており、この歯車にロータリーエンコーダーをつけて回転数を数え、ハンドルの位置を管理するので、ハンドルを真っ直ぐに戻すボタンもついている。一方、タミヤのギヤボックスは内部で減速して出力軸を回すのでロータリーエンコーダーを付けることができず、ハンドルの位置はスイッチのある右端と左端しかわからない。

写真は上から、4台並んだ車、2台の4輪車、4輪車のディファレンシャルギア、レゴの4輪車のステアリング、タミヤの4輪車のステアリング(針金のスイッチがついている)、2台の3輪車、レゴの3輪車を横から見た姿、の7枚。